写真集「南極越冬日記 写真で見る越冬隊の一年」出版しました。
南極越冬日記: 写真で見る越冬隊の一年 | 柴田和宏 | 写真 | Kindleストア | Amazon
7か月ぶりのブログ更新です。
拙ブログをお楽しみいただいている皆様に、写真集出版のお知らせをいたします。
2022年11月12日に写真集を出版しました。
越冬での経験を何か形にして表現したいという思いが常々あり、講演活動などを帰国後していたました。
そんな中、以前の職場の同僚から「本を出してみてはいかがですか?電子書籍なら、手軽に出せるようですよ」と教えて頂き、「それならやってみよう」と思い立って8月末から制作作業を開始しました。
日本の生活と南極の生活の差が大きすぎて、南極での生活が夢だったのではないかと感じるほどでしたが、写真集の制作作業を通して何度も写真を読み返したり、解説文を書き直したりするうちに、1年間の記憶が鮮明によみがえってきました。
憧れの地での生活や経験を再び思い出すことができたのは、この作業を通しての副産物でした。
一緒に生活した仲間にもこの本を読んでもらいましたが、同じ感想を持ってくれたようです。
この本を読んでいただけたら、きっと皆さんにも南極の1年を垣間見ていただけるのではないかと思っています。
ぜひ、ご一読ください!
本の内容を少々紹介します。
南極の様子を具体的にイメージしてもらえるようにと、地図を掲載しました。
昭和基地内の地図もあります。
写真は1年間撮りためたものの中から170枚ほどを厳選。
大判の写真に解説と、写真の撮影場所も掲載しているので、地図や解説と合わせて見ることで、いつ、どこでどんなことがあったのかを知ることができます。
本書は、越冬の始まりから終わりまでを時系列でまとめました。
季節の変化に合わせて、観測隊の行動範囲が変わっていくことも知ることができます。
昭和基地に閉じこもっていた時期から、南極大陸へと活動範囲を広げる変化も見て取れます。
越冬中に行われたイベントなども紹介しています。
南極の生活を楽しむ観測隊の姿を見て、観測隊の存在を身近に感じていただけたら幸いです。
2022年11月20日(日)まで無料配布中です。
この機会にぜひ、お読みください!
そして、気に入っていただけたら、評価やレビューをお願いします!
皆さんからいただいた評価やレビューは、
まだこの本を知らない方がこの本と出合うきっかけを生み出します。
応援よろしくお願いします!
4月8日(金) 日本での暮らし
3月31日夜に自主隔離が解除となり、翌日に東京を発ちました。
向かった先はもちろん自宅のある北海道です。
桜が咲き誇っていた東京とは打って変わって、地面にはまだ雪が残っていました。
1年半ぶりの帰郷に感慨深い思いは特になく、まるで数日ぶりに戻ってきたような気持ちでした。
家族との再会も驚くほど”久しぶり”感がなく、自分自身驚くばかり。
十年以上一緒にいた時間は、1年半程度では薄まることがないのかもしれません。
もしくは、インターネットの普及によって、日頃から連絡を取れる環境だったからこそ、心理的な距離は近いままだったのかもしれません。
帰宅してから今日で1週間。
私は学校の先生を退職しているので、今は無職。
しいて言えば「ユーチューバー」
稼ぎは0ですが(笑)
いずれは学校の先生に戻るのだろうと思うのですが、せっかく退職して自由の身なのだから、あせらず、自分のこれからについて考える時間を持とうと思っています。
待ったなしで私が追われているのは、社会生活に復帰するために必要な様々な手続き。
南極にいる間に失効してしまった運転免許証を再交付してもらったり、市役所の窓口に足を運んで社会保障に関する手続をしたり。
南極での日々は、本当に遠い記憶になってきています。
残っているのは、全国に散り散りになった仲間たちとの記憶と、遠く離れても何となくつながっているような感覚。
「今頃何してるのかな?仕事復帰してるんだろうなぁ」なんて思うことがあります。
振り返ると、南極での暮らしで一番に得たのは、様々な人との出会いと様々な価値観や考え方との出会い。
それらが、今の自分に影響を与えている部分は少なくありません。
しばらくの間は、家族との時間を大切にしたり、お世話になった人にあいさつをしたりしつつ、のんびりと過ごします。
まだyoutubeにアップしていない動画、特に昭和基地出発の動画をいずれ配信しようと思っているので、その時は拙ブログでご案内いたします。
また、私の経験をどこかで話す講演の機会などがあれば、それも発信したいと思います。
今まで以上に不定期な発信になりますが、よろしければご覧ください。
「そうだ 南極、行こう。」における62次南極観測隊の記録はひとまず終了です。
ご覧いただいた皆様、私の南極行きにお力添えいただいた方々、観測隊の仲間たち、そして家族に感謝です。
長らくお付き合いいただきありがとうございました。
帰国
2月1日に昭和基地を出発して以来、ひたすら北進してきたしらせは、3月28日に横須賀港に到着。1年4か月ぶりの日本の地を踏みました。
その後は自主隔離のため都内にて滞在。
PCR検査によって陰性が認められたため、本日帰宅となります。
東京はちょうど桜が満開になったそうで、芝公園の桜もきれいに咲いていました。
久しぶりの日本に感激するかと思っていたのですが、意外にもとりたてて感慨がわくわけでもなく、今までもずっといたかのような感覚です。
それに対して、1年以上暮らしたというのに、昭和基地で暮らしていたことが遠い日のように感じます。
ただ、コンビニでの買い物はどれもこれも目移りしてしまい、ついつい買いすぎてしまいます。昭和基地ではお金を全く使わない生活でしたが、こちらでは何をするにもお金が必要。
でも、そのお金によって、好きな時に好きなものを選び手に入れることができる選択の自由を得ているのですね。
北海道はまだ寒いんだろうなぁ。
このブログ、あと少しだけ続けます。
あとほんの少しお付き合いください。
3月26日(土) 日本直前
日本が目前に迫ってきています。
気温は20℃を下回り、船内は肌寒さを感じることもでてきました。
南極から赤道を通って、再び気温の低い日本へ。
北海道へ帰るときの服装に迷います。
南極向けの防寒着はありますが、南極で着ていたよりも薄着の防寒着がありません。
半袖のTシャツに薄手のダウンを着るといい感じかな?なんて考えたりしています。
3月24日(木) 艦上体育
昨夜、最後の時刻帯変更が行われ、最大6時間あった時差がなくなりました。
現在のしらせは日本時間と同じ時間帯で生活が営まれています。
赤道を離れたこともあり、徐々に暑さが和らいできている感じがします。
とはいえ、十分暑いです。
船上生活での運動不足を解消するため、甲板上で艦上体育をしています。
乗船以来1日おきに続けてきたのは「バトルロープ」綱引きの綱を2本持って運動するようなイメージです。
見た目は楽そうなのですが、やるとかなりきついですが、ひと月半も続ければかなり楽になります。