耐圧試験

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現在、南緯45度東経152度。
オーストラリアのタスマニア島の南東200海里あたりを通っています。
 
本日、最後の海洋観測が終了しました。
海洋観測では、400mの深海まで網や採水器を降下させてサンプルを採取します。
今まで使用していたしらせのウインチワイヤーの後片付けをするため、
1度1000mまで伸ばしてもう1度きれいに巻き直す作業をしました。
そのついでに「耐圧試験」を実施しました。
 
コップやカップ麺の器などを入れて、水圧でどんな変化をするのかを見るイベントです。
某駄菓子のカップ麺の器を入れました。
 
1000mの深海から取り出してみると、ご覧のとおり手のひら以下サイズに。

水の値段




しらせ船内で使用する水は全部で3種類あります。
飲料水と生活用上水と海水です。
 
海水が使われているのは、トイレと浴槽のお湯などです。
飲料水と生活用上水は、毎日海水から作られています。
 
船内では水を気兼ねなく使えます。
洗濯、洗面、飲み水。
昭和基地での水環境から比べものにならないほど快適です。
昭和基地から戻ってきて1番感動したことは、私室の洗面台の蛇口をひねると
冷たい水やお湯が出たことです。
 
しかし、水を作るのにかかる金額は1リットル300円。
ガソリンよりも遥かに高価です。
 
毎晩
「昨日の真水使用料30トン。節水に努めよ」という艦内放送が流れます。
当たり前と思うことが実は、特別なことなのだということがたくさんあります。
しらせにおける水もその1つです。
 
なるほど節水に努めなければならないと感じずにはいられません。

縦揺れ




しらせ船内だけで見られるホームページに載っている
「動揺グラフ」です。
上のグラフが横揺れ
下のグラフが前後の揺れを表しています。
 
今日の揺れは、珍しく前後の揺れが非常に大きいです。
波を正面から受けて、船全体が上がったり下がったりしています。
まさに波を乗り越えている状態です。
 
時々、ふわっと空中に浮いているような気分になります。
そんなときに腕立て伏せをすると、体がものすごく軽くなったり、ものすごく重くなったりするのを感じます。
重くなる時は、急に誰かが自分の背中に乗ってきたような感じです。
 

娯楽大会決勝




娯楽大会の決勝が行われました。
ダーツは、観測隊員 対 自衛隊
オセロは、観測隊員 対 観測隊員
将棋は、観測隊員 対 自衛隊
 
ダーツの優勝者は自衛隊
オセロの優勝者は観測隊員
将棋の優勝者は自衛隊員でした。
 
今朝東経150度ラインに入りました。
ちょうどシドニーと同じくらいの経度です。
ここから1週間かけて北上します。
本当に南極とお別れです。
 
そして、文明圏こんにちは。

南極工芸展




観測隊員や自衛隊員が南極行動中に制作した作品の工芸展が開かれました。
さながら、小学校の夏休み作品展のような雰囲気です。
 
あまりの出来栄えに「こいつ、仕事してたのか?」と、
仲間の自衛官から突っ込みの声が上がるものもありました。
確かに「どれくらい時間がかかったんだろう?」と思うほど高品質の作品がありました。
 
観覧者は全部で26点ほどある作品の中から1つ選び、投票します。
最優秀の作品は誰になるのでしょう。

しらせ南極高校




しらせ南極高校が開校されました。
8時30分から10時までの1時間半。
授業は2コマ。
 
1時間目「多様化する護衛艦隊の任務」
2時間目「階級の仕組み」
 
弾道ミサイルの迎撃システムとその訓練の話。そして、階級と記章の意味などについての
講義内容でした。
階級によっては36歳までに退職しなければならないなど、
日ごろ触れることのできない話に会場は興味津々。
 
「揺れている船から発射する迎撃ミサイルは、ちゃんと狙いを定められるのですか?」
など、質問が飛び交いました。
 
 
授業をしてくださった自衛官の方は、かなり緊張していた様子。
汗をぬぐいながら楽しく話してくれました。