ケープダンレー沖
ここ数日連日のように時間帯変更が行われ、
1週間ほど前には7時間もあった日本の時差が、3時間にまでなりました。
現在しらせが航行しているのは、インドのずっと南あたりのケープダンレーという場所です。
今朝から風速30mほどの強風が吹き、地吹雪と共に視界が真っ白な状態です。
ケープダンレーは、南極海を覆う海氷(かいひょう)が多く生まれる場所と言われています。
その生産量は南極海で第2位です。
写真を見ると、蓮の葉のような形の氷がたくさんあるのが見えるでしょうか。
これが成長して、厚くて大きな海氷となります。
そしてこれが風などで流されて海を閉ざします。
海洋深層循環という言葉をご存じでしょうか。
地球を覆う海水は、海の低層で世界中を駆け巡っているというものです。
極地の海水は非常に冷たく、深海に沈み込みます。
そして世界中の海の深層に広がりながら徐々に湧き上がってきます。
その影響は大きく、地球上の全海水の30〜40%が南極由来となっているとのことです。
近年の研究でそのスタート地点の1つがケープダンレーであることが明らかになりました。
この循環が変化すると、地球上の気候が激変します。
今後の地球上の気候変動を予測するうえでも、この海洋深層循環の監視と分析が重要視されています。
しらせは今、その監視と分析をするためのデータを集めています。
私がいる場所はまさに「海水が沈み込んでいくスタート地点」です。
海底に沈んだ水が世界中の海を駆け巡ると思うと、なんだか壮大な物語を見るような気持ちになります。
南極に再会
オーストラリアの観測船「オーロラ・オーストラリス」の座礁事故のため、
モーソン基地に残されたオーストラリア観測隊を救出に、再び南極大陸へやってきています。
朝日に照らされた氷山と、できたての海氷「蓮の葉氷」が浮かぶ、ざらついた海の質感がなんとも言えません。
氷山の見える美しい景色を目にすると、
「やっぱり南極はいい!」と思ってしまいます。
しらせ語講座
しらせでは、独特の読み方をする文字があります。
数字とアルファベットです。
1,2,3,4,5,6,7,8,9,0を
「ひと」「ふた」「さん」「よん」「ご」「ろく」「なな」「はち」「きゅう」「まる」と読みます。
時刻を言うときによく使います。
例えば、7時を「0700(まる なな まる まる)」
12時45分を「1245(ひと ふた よん ご)」という具合にです。
慣れると、なかなかわかりやすいです。
そして、アルファベット
これは写真をご覧ください。
聞き違いを避けるのだと思います。
よく日常生活でも、BとDを聞き分けられないことがありますよね。
「ビー」
「え?ディー?」
「いや、ビー」みたいに。
そんなときは、
「ブラボー」と言ってみてください。
きっと、一発で伝わります。
たぶん。