ごみはどこへ?

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日本で暮らしていると、普段はごみの行方を追うことはないでしょう。

家の中のごみ箱から、家族の誰かがごみステーションへ運ぶ。

日中にごみ収集車がやってきて、ごみを回収しているのを見かける。

その先の様子を目にすることはあまりないでしょう。

小学校の見学学習でごみ処理場を見るくらいですね。

 

ごみ処理場で誰が働いているのか、その人の名前や顔、声、日常生活の様子などを見ることは、親戚でもないかぎりないでしょう。

 

昭和基地では今、31人の隊員が生活しています。

人間が暮らす限り、ごみは必ず出ます。

料理に使った野菜の切れ端、ラップ、食べ残し、使用したティッシュ、ジュースの空き缶など、数限りなくごみは出ます。

溜まったごみは、当直と呼ばれる人が1日に1回ほど焼却炉棟と呼ばれる建物に運びます。

日本でいうと、ごみ処理場と同じです。

そこでごみを焼却して灰にします。

灰にしたら、ドラム缶に詰めて1年後に日本に持ち帰ります。

昭和基地で出たごみは、すべて日本に持ち帰るのがルールです。

では、ごみを焼却するのは誰でしょう?

31人の隊員のうちの1人です。

環境保全担当隊員と言います。

一緒に暮らしている仲間が、1年中ごみ処理をしてくれるのです。

ごみ処理場に見学に行ったことがある人は知っているでしょうが、生ごみなどは臭います。

処理しても処理しても、次の日になると新たなごみが出ます。

強風が吹くと、焼却炉を止めなければならないので、処理ができずにごみが溜まってしまいます。

でも、朝から夕方まで1人で処理をしてくれるのです。

感謝しかありません。

 

日本でも、必ず私たちのごみを毎日処理してくれる人がいます。ごみをごみステーションに出したら誰かがきれいにしてくれるのが当たり前の社会です。

でも、その当たり前の社会を動かすために、働いている人たちがたくさんいます。

昭和基地で生活すると、日本で便利な生活を送っていられるのは、そういった人たちのおかげなのだと知ることができます。