海から生えてくる竹
私はいったい何をしているのでしょう。
実は、南極の海には竹が生えるのです。
その竹の成長度合いを測るのが、竹尺観測です。
というのはウソです。エイプリルフール。(4月1日の記事です)
気象隊員の観測に「雪尺観測」というものがあります。
そのお手伝いで私も測らせてもらいました。
雪尺観測とは、海の上に積もった雪の深さを測る観測です。
具体的には、海の上に何㎝積もっているかを測るのではなく、積雪の深さの変動の様子を測っています。
「先週より4㎝積もったね。先月よりも15㎝も増えているね」という具合です。
観測の方法は、
1 雪面に定規をあてる
2 雪面から、竹さおの赤い印までの長さを測る
3 これを9本繰り返す
以上。とてもアナログな方法ですが、毎週計測し、それを続けることで変動の様子を知ることができます。
9本である理由は、次のイラストで解説します。
1本の竹さおを測っても、それは1点での計測結果であり、海面全体を把握したことにはなりません。海面全体をすべて測ることは不可能です。
そこで、上のイラストのように10m間隔で9本の竹竿を立てます。
この9か所の竹竿の計測結果の平均値を出すことで、20m四方の面でとらえることができるのです。
この観測は毎週行われています。
さて、最初の写真に戻りますが、どうも私の腰が引けておじいちゃんのようになっていますが、これは観測する竹竿の根元の雪を踏んでしまわないように離れて計測しているためです。
それにしても、腰が引けてかっこ悪いですね。